ワンヘルスとは
One Health
ワンヘルスとは、人・動物の健康と環境の健全性を「一つの健康=One Health」として、守っていく考え方です。私たちが健康に暮らしていくためには、地球に暮らす動物、そして地球自身も健康でなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の流行や地球温暖化に伴う異常気象。私たちの健康や生活を脅かすこうした問題の解決には、ワンヘルスの考え方がとても大切です。
子どもたちに健康で、安心して暮らせる未来を繋いでいくためにも、今こそ、一緒に考え、できることから始めませんか?
人獣共通感染症対策
動物から人へ、人から動物へ感染する感染症を「人獣共通感染症」といい、人の感染症の約60%を占めると言われています。また、近年新たに発見された「新興感染症」の約75%にもあたります。感染を防止するためには、①感染源、②感染経路、③宿主の3つに対する対策が必要です。
私たちにできること
- 手洗い、咳エチケット、口腔ケアによる感染予防・防止
- ペットの衛生管理、予防接種
- 草やぶでも長袖着用による虫刺され防止

薬剤耐性菌対策(薬剤の適正使用)
「薬剤耐性菌」とは、抗菌薬に対して抵抗力(耐性)を獲得した細菌のことです。今、「薬剤耐性菌」が増加する一方、新たな抗菌薬の開発が減少していることが世界的に問題となっています。「薬剤耐性菌」を増やさないためには、一人一人の取組が重要です。
私たちにできること
- 薬は決められた用量や用法を守って服用する

環境保護
自然環境は、人を含む様々な生物が生きる場です。生態系を守り、人と動物とのすみ分けが保たれてこそ、人と動物の健康を保つことができます。そして、健全で豊かな自然環境を次世代に引き継いでいかなければならないことも忘れてはなりません。
私たちにできること
- 自家用車の使用を控え、排気ガスを削減
- 節電、省エネに取り組む

人と動物の共生社会づくり
犬や猫などの愛玩動物(ペット)は、家族の一員となる等、重要な存在となっています。また、災害救助犬や盲導犬など、社会で活躍している動物もいます。一方で、不適切な飼育や虐待、遺棄等の問題や愛玩動物を介して共通感染症に感染する事例も発生しています。人と動物との関係をより良く保つためには、動物の生態や本能、習性をよく理解することが大切です。また、ペットとして飼う場合や社会で活用する場合は、正しい飼い方等を十分に知っておく必要があります。
私たちにできること
- 野生動物への餌付けをしない
- マイクロチップを活用したペットの迷子防止

健康づくり
人の健康は、適度な運動習慣の定着や、食生活の改善といったことに加えて、人や動物が心も体も健やかな状態で過ごすことができる生活環境において育むことができます。これからの健康づくりは、動物や環境とのつながりを大事にしていく必要があります。私たちは、人だけで生きているのではなく、健全な環境と様々な動植物との関係の中で生きて、健康を維持しているのです。
私たちにできること
- ハイキングや自然観察のイベントなどに参加する
- 森林浴でリフレッシュする

環境と人と動物のより良い関係づくり
私たちの健康は、健全な環境で生産された健康な家畜や、安全な農作物・水産物などを食べることで維持されています。米や野菜等を作るには、健全な環境の農地や水が必要です。また、肉・卵・牛乳などの畜産物は牛・豚・鶏などが健康に育つよう、その飼育環境や餌の安全性に配慮しなければなりません。
「食育」を通して、農作物・水産物が作られている環境について関心を持つことも大切なことの一つです。
私たちにできること
- 福岡県産の食物を積極的に食べる
- 食品ロスの削減(買いすぎない、作りすぎない、注文しすぎない、食べきる)
